2015年12月17日木曜日

健康寿命を語る上ではずせない認知症対策

認知症患者は全国で462万人(2012年時点)と推計されています。今後も増
え続け、2025年には7百万人になるともいわれています。10年で1.5倍の
ペース、65歳以上の5人に1人以上が認知症になる計算です。いやはや恐ろ
しい話ですね。

いくら身体が健康であっても、脳がしっかり働かなければ身体活動も精神活動
も滞ってしまいます。住宅で健康を語るのに、認知症に対してどう考えるか、
外せないテーマなのではないでしょうか。

誰もが認知症になる可能性があり、年齢、遺伝などと共に、環境・生活習慣が
要因となります。以前、油が認知症の原因の一つであることを、脳科学専門医
の山嶋哲盛先生のお話を通じ紹介しました。

医・食の分野から認知症に対する研究が進んでいます。しかし、もちろん食だ
けではありません。住宅そのものも、認知症に大きく影響を与えている可能性
があることを知っていただきたいと思います。

認知症との関係に着目するのもその体験からきています。

弊社会員様が「いやしろの住まい」の仕様のデイサービスの施工をされました
が、そこで認知症の症状改善体験をされる入所者の事例が多くみられました。

あくまで仮説ですが、良い環境で過ごすことで五感を呼び覚まされ、結果、脳
にも刺激が与えられるのではないか?ということです。

たとえば、床。無垢の床は触り心地に温かみがあり、心地良いものです。直接
足で踏みしめることにより、足先から感覚に刺激を与えることに貢献するでし
ょう。

そして、空気。前述のデイサービスにて、盲目のご入所者が初めて足を踏み入
れた時、目が見えなくともあたりを見渡す表情をされ、「なんて良い環境なん
だ。ここが第二のわが家になるんだね。」語られたという事例は、印象的でし
た。このデイサービスでは、トイレのニオイも残らず、スタッフからも働きや
すい職場として好評でした。


繰り返しになりますが、身体が健康であっても、脳が健康でなければ元も子も
ありません。環境が認知症に与える影響の大きさを認識し、健康と住宅との関
係をさらに明確にしていきたいと思います。

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